視線の先にはいつも君
ポン、と。
不意に私の頭に優しい重み。
拓人の手が乗せられたということはすぐにわかった。
「何がズルいって思うの?」
優しい声色の拓人。
なんだか凄く安心できた。
「だ、だって…。拓人が告白されてるの、見て…ッ。拓人を取られたくないって思った」
「………」
「避けたり、してたくせに。拓人が想ってくれたことを、なかったことにしたくせに…。拓人が誰かと付き合うのが…堪らなく嫌だった…!」
涙がまた溢れる。
すると、ふと抱きしめられた。