らぶ・すいっち
ストレート攻撃
順平先生の顔をまっすぐに見ることができない。
あの熱烈なキスを受けてからというもの、私はどうもおかしい。
風邪でもないのに身体が熱くて、胸が苦しい。
「ああ、これ以上キスをしていたら……もっと先へと進みたくなる」
「っ!」
ペロリと私の唇を舐めたあと、順平先生はやっと私から離れてくれた。
放心状態で、倒れたままの座席に寝転ぶ私。
動けない様子を見て、順平先生はクスッと妖艶に笑ったあと、私の背に手を添えて起こしてくれる。
そのあと座席を元に戻してくれて、シートベルトまでも順平先生がやってくれた。
それでもまだ放心状態で動けない私に、順平先生は瞳を細めて笑う。
「君の中の恋愛スイッチ、入りましたか?」
「……」
何も言わない……いや、言えない私の頭をゆっくりと撫でたあと、順平先生はハンドルに手を置いた。
「寄り道をしてしまいましたね。そろそろ戻りましょう」
エンジンをかけ、来た道をバックしたあと、舗装された道路に戻り帰路に急いだ。