らぶ・すいっち
「この責任は……しっかりとってもらいますよ」
「え?」
どういうことかと問う前に、私はそのまま廊下に押し倒されていた。
ドンと私の顔の横に手をついた順平先生の顔は、照明の影になっていて見づらい。
慌てる私の耳元に、順平先生の唇が近づいた。
「須藤さん……悪い。部屋まで待てない」
「ちょ、ちょっと! 順平先生?」
止める間もなく、順平先生は私の頬にチュッと音を立ててキスをしたあと、今度は目尻に、そして———— 唇にもキスをした。
甘くて幸せで目眩がする。
順平先生のキスに酔ってしまった。
ここは美馬家の玄関先。施錠はしてあるし、今日は英子先生は帰ってこない。
誰も訪れることはないとわかっているけど、普通じゃ——— 私的に ———考えられないシチュエーションでのキスに、ますますクラクラしてしまう。
情熱的なキスだった。
何度も角度を変え、深く深くと私を求める順平先生。
それに応えたくて、必死にしがみつく私。
場所が場所なので背徳的な気持ちになるのだが、甘い空気がたちこめた玄関先でのキスはより刺激的に感じた。