らぶ・すいっち
しかし、他の生徒さんには優しい態度なのに、どうして私にだけ態度が違うのだろう。
と考えたが、よくよく考えれば最初から私たちは最悪な出会いをしていたのだ。
順平先生だって、私に対して敵対心を抱いていてもおかしくないのかもしれない。
それならそれで受けてたとう。
私は、プリプリ怒りながら、順平先生に背中を向けて作業を開始し始めた。
(平常心。今は仕事の途中。心を乱されちゃだめ)
自分に言い聞かせながら手を動かしていると、肩をポンポンと叩かれた。
私の肩を叩いた人物は、わかっている。順平先生だ。
本当は振り向きたくはないが、振り向かないわけにもいかないだろう。
今、私は仕事中だ。シュプリーズの制服を着ている以上、店員としての態度をしていかなければならない。
私は小さく息を吐き出したあと、他人行儀の笑みを浮かべ振り返った。
「お客様、どうかなさいましたでしょうか? お探しモノでしょうか?」
順平先生がこの化粧品フロアには無関係だろうと踏んでの言葉だ。
営業スマイルで店員らしい言葉をかければ、さすがの順平先生だってこの場を立ち去ることだろう。
しかし、私の予想は見事外れたようだ。