らぶ・すいっち
「私ならこう答えます。こうして抱きしめて、近くにいたい。そう思うのは京だけだったから」
「順平先生」
「もう理屈じゃないんです。京がいい」
京から少し離れ、見下ろす形で彼女に覆い被さっていると、彼女は目に涙をいっぱいためながら頷いた。
「私も先生がいい。順平先生じゃなきゃ……いやです」
「!」
「大好きです。順平、さん」
頬を真っ赤に染め小さく呟く京の可愛らしいこと。私は、その瞬間。理性という名をしたものがが木っ端微塵になくなったのを感じた
やっぱり何より最強で、最高なのは今私が組み敷いている女性、須藤京香だ。
(でも、もうすぐ須藤姓で呼ぶことはなくなりますけどね)
私がそんな腹黒な考えを抱いているなんて、きっと京は知らないだろう。
小さく笑いをかみ殺しながら、私は彼女を抱きしめた。
*何より最強なのは? 完結*