らぶ・すいっち
最初に異変を感じたのは昨日の夜。
いつもなら寝る頃に今日一日どんなことがあったかという簡潔なメールが京から届くのに、昨夜は届かなかった。
きっと仕事で疲れて寝てしまったのかもと思った私は、『おやすみ、良い夢を』とだけ送り特に連絡もせずにそのまま眠った。
次に異変を感じたのは今日の昼。
私も朝から忙しく、メールチェックをする暇をなかなか作ることができなかった。
やっと昼ご飯にありつけるとパンを一口食べたあと、今日は一度もメールチェックをしていなかったことに気がついた。
きっと京からメールが届いているはずだと思った私は、メールをチェックした。
だが、そこには京からのメールは1通たりとも届いていなかった。
そこでこれは少しおかしいな、と疑いをたてた。
京のことだ。もし昨夜疲れて私のメールに気がつかず寝てしまっていたとしても、朝起きたときに謝罪のメールを送ってくるはずだ。
それなのに1通もメールが送られていない。
時計を確認するが、今は十三時。仕事が休みでゆっくり寝ていたとしても、そろそろ起き出してもいいころだ。
「これはちょっと……おかしいですね」
小さく呟いたあと、私は京に電話をしてみた。何度目かの呼び出し音がしたあと、やっと電話に出てくれた。