らぶ・すいっち
興味津々のおば様たちに囲まれているこの現状は、とにかく居心地が悪い。
私たちのやりとりを見て、グループのおば様たちが面白そうにニヤニヤと笑う。
「あら。うちの京香ちゃんとお知り合い?」
「ええ。高校の頃の同級生です」
それ以上は言ってくれるなよ、と合田くんに目で合図を送ったが、彼には届いていると信じたい。
が、合田くんは私と視線が合うと、口角をクイッと妖しく上げた。
まずい。嫌な予感しかしない。
「それだけって感じじゃないわねぇ。京香ちゃんの元彼とか?」
おば様、突っ込みすぎです。
なんとしても話の流れを変えたい一心の私だったが、最強おば様軍団に私も、そして合田くんも勝てるわけがない。
そうなんでしょ? と合田くんに詰め寄るおば様たち。怖すぎます。
恐れをなした合田くんは、顔を引き攣らせながら小さく頷く。するとおば様たちは、やっぱりね、と口々に言い出した。
「女の子が男の子にお弁当を作るだなんて、深い関係がないと作らないもの。そうか、京香ちゃんの元彼なんだ〜」
その意味深な表情で私を見るのはやめてください。
顔を赤らめながら俯く私だが、おば様たちの視線が痛い。