らぶ・すいっち




「ほら、さっさと教えて」

「……」

「授業中なんだろ? 早く作業しないと怒られるぞ?」

 誰がそうさせているんだ、と言いたかったが、それを目の前の合田くんに言っても取り合ってもくれないだろう。

 三つ子の魂百までということわざのとおり、今も昔もそういう強引さは変わっていないようだ。

 これ以上話していると、順平先生から怒られるだろう。
 それならさっさと連絡先を合田くんに教えた方がいいかもしれない。

 久しぶりの再会だから、合田くんはリップサービスをしただけ。
 連絡先を伝えたからといっても、電話がかかってくるとは到底思えない。

 彼に連絡先を教えても、特に何が起こるわけでもないだろう。

 私は短く息を吐き出したあと、自分の携帯番号を口頭で教えた。
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