らぶ・すいっち
スイッチ・オン!!
「今日は、個別レッスンはお休みです」
「え?」
驚いて顔を上げると、そこには私を見下ろす順平先生がいた。
相変わらず背が高い。その位置から私を覗き込むように腰を屈めている彼は、いつもより近くにいるように感じる。
短く切りそろえられた黒髪は、いつものようにキレイに整えられていて、魅惑的な和風顔に、よく似合っている。
グッとより近づいた順平先生に、私は驚いて後ずさった。
背中に当たるのは教室の壁で、それ以上は逃げ場はない。
それなのに順平先生は、より私に近づこうとしてくる。
胸が苦しい。ドキドキしすぎて、胸がキュンと痛む。
私のそんな感情を知っているのか、知っていないのか。それがわからないほど順平先生は無表情だ。
レンズ越しに見える切れ長な瞳は、私を映し出している。
こんなに至近距離で順平先生に見つめられたことがない私は、それだけでパニックを起こしてしまいそうだ。