らぶ・すいっち
「私の恋のスイッチはすでにオンですが……須藤さん、貴女はどうですか?」
「じゅ、順平先生?」
「君の中のスイッチは、オンになりましたか?」
切れ長で印象的な順平先生の瞳が、私に問いかけてくる。
嘘をついてはダメだよ、と諭されているようだ。
しかし、どう答えればいいというのか。
スイッチって何? 先生の恋のスイッチが入ったってどういうこと?
あのキスはどういう意味なの……先生は、私のことが好きだと言いたいの。
色々聞きたいことは山にある。だけど、今の私はそれらを言葉として発することはできないほど動揺している。
抜け出すスペースを見つけた私は、順平先生の質問には答えず、一目散に教室を飛び出した。