らぶ・すいっち



 
「え? だって、合田くん。なんで私が住んでいるアパートを知っているの?」

「ん? 聞いたから」

「え……誰に?」

「お前のお袋」

「はぁ!?」


 まさか私のお母さんが一枚噛んでいたなんて。ビックリしすぎてそれ以上は言葉がでない。
 合田くんは電話越しで、クツクツと楽しげに笑っている。


「正確に言うと、俺のお袋経由だな」

「……」

「俺たちが別れた後も、あの二人は仲がいいみたいだからな」

「……そういえば」


 合田くんの言うとおり。うちのお母さんと、合田くんのお母さんは通っているスポーツクラブが一緒らしく、時おりお茶をしたりする仲だということは聞いたことがある。

 当初、私たちが別れを選んだことに二人は大変残念がっていたが、それはそれ。
 二人の友情は今だにはぐくまれているらしい。

 と、言うことは。合田くんは私のアパートに本当に来ているということなのか。


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