らぶ・すいっち
「あ、合田くん!?」
「帰したくないって言ったら、お前はどうする?」
「え……?」
ギュッと手首を掴まれ、そこから合田くんのぬくもりを感じる。
高校生の頃、よく合田くんと手を繋いで登下校をしていたのを思い出す。だけど、そのときより大人になり、情熱的になった合田くんを目の前にして、私は固まってしまった。
「なぁ、どうする?」
「え?」
「俺と付き合う気あるか? 俺はお前ともう一度付き合いたい。もちろん高校生のころみたいな子供の恋愛じゃない。大人の恋愛だ……どうする?」
「どうするって言われても」
突然言われても何と答えて良いのか分からない。それでなくとも今日は色んなことがありすぎた。
答えを早急に求められても困るというものだ。
目を白黒させ、この状況についていけない私を、合田くんは真剣な表情で見つめてくる。
「じゃあ、考えろ」
「あのね……すぐにはいそうですか、って結論がでるわけないわよ」
私の言っていることはもっともだと思う。
この場で考えて、結論が出る問題ではない。
久しぶりに出会った元恋人。それだけでも心が乱されるというのに、合田くんはもっと私を混乱させたいのか。
慌てふためく私は、合田くんから離れようとするのだけど、それは叶わなかった。
それどころか合田くんは私に近づき、抱き寄せてきた。