3分間の異世界旅行
「え?いきなりどうしたの?」
お城なんて、普通に考えたら一般人は立ち入ってはいけないのではないだろうか。
「俺のそばにいてほしい。」
ナツがいきなりそんな告白めいたことを言うので凄く驚いた。
「お前がいたら、俺は王をやっていける気がするんだ。それに、俺が言えばお前の祖父母の面倒も見てやれるだろ?」
「ナツ.....。」
それは優しい優しい心遣いだった。
でも。
私はこの世界の人間じゃあ、ないからなぁ。
ナツのそばにはいられない。
当たり前のことのハズなのに、胸がズキンと痛んだ。
「ナツ。ありがと。」
私は了承でも拒否でもなく、ただお礼を言った。お礼だけを。
「......。」
ナツはカンが良さそうだから、なんとなくわかってるんだろうなぁ。