青い記憶
そう言って笑うと晴くんに頭を小突かれた。
「ばーか、嬉しがんなよ。こっちは待ってる間、もうずっとヒヤヒヤしてたってのに。亜美があいつに対する気持ちぶり返して、目移りしちゃわないかなとかすっげー不安だった。さっきも一緒にビルから出てきただろ?もう引き離しに行こうかと思ったよ」
「そんなことあるわけないじゃん!ちゃんと1年付き合ってる彼氏がいるって話もしてきたよ。雄ちゃんも大事な彼女がいるって。お互い幸せになろうねって言ってバイバイしてきた」
私がそう言うと晴くんの顔がほころぶ。
「そっか、よかったな。今の亜美すっごいいい顔してるよ」
「本当に?嬉しい。全部、晴くんのおかげだよ。晴くんがいてくれたから頑張れたよ。ありがとう」
頭を優しくポンポンとしてくれる。
私にはこの温もりが必要なの。
晴くんの大きな手が、私を包み込んでくれる晴くんの大きな優しさが、晴くんの存在が全てが必要なんだよ。
「2人でもっともっと幸せになろうな、亜美」
そう言ってもう一度ギュッと抱きしめてくれる晴くん。
「うん、晴くんとずっと一緒にいたいよ」
私たちは手をつないで歩き出した。
この幸せは、永遠に続くようだった。
永遠だとしか思えなかった。