青い記憶
「それから家にいるときとか、1人の時はずっと考えてた。本当に別れていいのか、別れない道だってもちろんあるし。だけど、やっぱりこれからも啓介には迷惑をかけちゃうと思ったし、自分が変われる自信は持てなかった。昔のこと思い出したら、私たち付き合う前の方がずっと仲良くて、1番心地いい関係だったなとか思ったりするようになった。
8月入ってすぐくらいに、啓介と会って話して。その時に、私はさっき言った私の思ったことを全部言ったの。そしたら啓介も『俺もそう思ってた。付き合う前の友達の頃が1番いい関係してたよな』って。
啓介は自分から別れようとは一言も言わなかったけど、その日は別れたくないとも言わなかった。あぁ、ここで終わりだなと思って、そしたら『じゃあ、別れようか』って自然に口から出てた。啓介も黙って頷いてた」
美優は目に涙を溜めてたけど、最後まで流さなかった。そして溜まった涙を拭き取ると
「これで全部です」
と言って笑った。
美優が涙を堪えてたから、私も泣くのは我慢したけど、胸はズキズキと痛んだ。
「はぁ、早く次の恋した〜い!次はあんまり女の子にモテないイケメン探さなきゃ」
なんて美優はおどけて笑ってたけど、それが私たちを心配させないように言った誤魔化しなのは明らかで…
きっと美優は次の恋にはいけない。というより、いかないだろう。次の恋にいく気なんて嘘でも思えないだろうと思った。
だって、2人は今でもこんなに思いあってるのに…