青い記憶

「はい、どうぞ」




一つのティーカップを晴くんの前に置いて正面に座る。




「ありがとう」




紅茶を一口すすると美味しそうにケーキを食べ始める晴くん。




ショートケーキは1年記念日の後に1度食べたきりで久しぶり。




懐かしい甘さが口に広がる。




「美味しい〜」




生クリームの甘さとイチゴの甘酸っぱさが口の中でマッチする。甘さと幸せで、自然と頬が緩んでいく。



ほっぺたが落ちそうになるってまさにこういうこと。




「可愛いな〜お前は」




晴くんがそんな私を見て笑う。




「心こもってないでしょ」




私がそう言って笑うと「いや、本当に思ってるよ」なんて目を見つめて言ってくるから思わず目をそらしてしまう。




「照れてんの?顔赤くない?」




晴くんが顔を覗こうとからかってくる。




「照れてないよ!」




なんてムキになって否定するけど、バレバレなのもわかってる。




あと2ヶ月とちょっとで1年半を迎えるけど、晴くんのストレートに伝えてくる言葉や可愛い笑顔にはいつもドキドキする。いつまでたっても慣れない。晴くんばっかりずるいなんて思ってしまう。
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