青い記憶

「亜美、クリームついてる」




晴くんが自分の口の端を指差して教えてくれる。




「どこ?本当についてる?」




晴くんの言う場所を手で拭ってみるけどなかなか取れない。




「亜美どんくさ〜。ちょ、きてみ」




手招きされて、晴くんに顔を寄せる。



すると突然優しく手を引かれ、体が前にでる。




そして甘く長いキスが落とされた。




突然の出来事に目を閉じれなくて、晴くんの綺麗な整った顔が目の前に。




やばい、心臓が口から飛び出そう。




口を離しても暫く今にもまた唇がひっつきそうな距離で見つめ合う。




奥二重だけど大きくて綺麗な瞳。すらっと高い鼻に薄い唇。



ひとつひとつにドキドキしてもう心臓がもたない。




すると突然、真剣な顔が意地悪そうな笑顔に変わる。




「うっそ〜。クリームはついてませんでした」




「も〜ばか!」




文句を言うけどきっと顔は真っ赤で。



可愛い笑顔が目の前にあるから上手く目を合わせられない。



手を上から添えるように握られているから体を後ろに引きたくても引けない。

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