青い記憶

「じゃあ、騙したお詫び」




そう笑ってまた長いキス。



今回は唇と同時に手も離してくれ、背もたれにもたれかかった。



まだ心臓のドキドキが止まらない。




「ねぇ、今日の晴くん甘くない?」




「まじ?惚れ直した?」




なんて意地悪そうに笑う晴くん。



可愛いけどその余裕さがムカつく。




「いっつも晴くんばっかり余裕そうでムカつく。私ばっかりドキドキしてるじゃん」




私が言うと、晴くんは驚いた顔をして優しく笑った。




「うそ、亜美、俺が余裕そうに見えるの?すっげー嬉しいんだけど」




「喜ばないでよ!こっちは毎回毎回ドキドキさせられて心臓もたないから」




私が拗ねるとごめんごめんといってまた笑う晴くん。



ほら、また余裕そうに笑う。




「ごめんだけど、本当は俺も余裕じゃないんだよ」




「嘘、絶対嘘」




「嘘じゃねぇよ。亜美が可愛すぎるからキスしたくなるけど心臓破裂しそうなくらい緊張してるし、そしたら照れてる亜美がまた可愛いからもう心臓口から出るんじゃないかって思う」




自分で言って照れてる晴くんが可愛すぎて抱きしめたくなる。



思わずニヤニヤしてると晴くんに「ニヤニヤしてんな」って怒られた。
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