青い記憶

ある日の朝、森本くんに相談に乗ってほしいと言われた。




その日の放課後、晴くんの部活が終わるのを待つ間、森本くんと2人で教室に残った。




「多野から聞いたよな?電話した話」




「聞いたよ!よかったじゃん!あの日の森本くんはかっこよかったよ。美優もあの時森本くん見て目潤ませてたから、相当助けられたと思うよ」




私が言うと頬を緩ませる森本くん。だけどその笑顔もすぐに曇った。




「でも、俺わかんないんだよ」




「何が?」




「美優の考えてること」




「…どういうこと?」




森本くんの言葉で、頭に不安が広がる。




「あいつ、俺のことが嫌で離れてったんだろ。なのに電話で俺との思い出楽しそうに話すんだよ。期待させられる。これはいけるかもっていい雰囲気になったタイミングもあったんだよ。そしたらあいつすぐ話変えるんだ。まじで何考えてんのかわかんねぇ…」




「ねぇ、なんか勘違いしてない?美優って森本くんのことが嫌で離れていったんじゃないでしょ?」




そう、美優は森本くんのことが好きすぎるから、これ以上迷惑をかけたくなくて別れたんだ。




「…え?嘘だろ?あいつ俺が女に軽く接するのが嫌で耐えられなくなったんじゃねぇの?」




これって、森本くん…



美優の本当の理由、知らないの?

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