青い記憶
「違うよ!美優は、自分が些細なことでヤキモチ妬いて、森本くん困らせて喧嘩になるのが嫌だったんだよ。だからこれ以上迷惑かけたくなくて別れること選んだんだよ」
私の話に驚いて固まる森本くん。
「美優はそんな自分が嫌になったの。森本くんのことは今でも大好きだよ」
暫く動けなくなってた森本くんだけど、だんだん顔が緩んで体の力が抜けて、座ってた椅子の背もたれに全体重をのせるようにもたれかかった。
「まじか〜…なんだよそれー!なんで言わねぇんだよあいつー!」
教室に響き渡る声で叫ぶ森本くん。顔はすっごく嬉しそう。何か吹っ切れたような表情をしてる。
「これは私の憶測だけど、森本くんそんなこと美優から聞いたら絶対別れなかったでしょ?だからじゃない?」
「別れるわけねぇじゃん。ヤキモチ妬かれるのが迷惑とか思うわけねぇじゃん、あいつまじで馬鹿かよ」
きっと、森本くんはもう決めたはずだ。
「森本くん」
「ん?」
「美優のこと、よろしくね」
とびっきりの笑顔で
「任せろや」
と言った森本くん。
オレンジの光が差し込む教室。
そのすぐ後、晴くんが迎えに来てくれて3人で教室を出た。
全てが幸せに包まれているようだった。