青い記憶
あれから1ヶ月ほど経った。
12月に入り、街もクリスマス一色。
美優と森本くんは無事、ヨリを戻した。
さすがにそんなにすぐには戻れなかったけど、2人が戻るまでに費やした"1ヶ月"という歳月は妥当だったと思う。
数日前のこと。
教室に入ると、すぐに森本くんが私のところにかけよってきて、美優と復縁の報告をしてくれた。
あんなに嬉しそうにニコニコしてる森本くんをみたのは久しぶりだった。
「清川のおかげだよ。まじでありがとう」
あんなに何度も深々と森本くんにお礼を言われたのも初めてだった。
「美優の隣は森本くんだし、森本くんの隣はやっぱり美優だよ。また2人で新しいスタート切って頑張ってね」
私が言うと、また「おう、ありがとな!」と満面の笑みでお礼を言ってくる森本くん。
つられて私も頬が緩んだ。
その後、美優と琴音と3人でご飯に行って、そこでも美優に何度もお礼を言われた。
美優だって私のことを支えてくれたから、そんな、私にとって大切な存在の美優が、幸せに笑ってくれてれば、それが1番嬉しいよ。
美優の笑顔を見て、綺麗事でも何でもなく、ただ純粋に心からそう思った。
そして私も、晴くんとの幸せを、心の中でもう一度、そっと祈った。