青い記憶
あれから幸菜とは変わらず話さないし目も合わさないまま。私が一方的に無視されて避けられてるんだけど。
たまに幸菜の鋭い視線を感じる時があった。でも、必死で気づいてないフリをしたし、他の友達にはいつも通り笑顔で接した。私は臆病者だから。
そうしてクリスマスの日。
結局公園で話したときから圭暉とはちゃんと連絡が取れなくて、どこに行くかも決まってないまま。とりあえず一緒に帰ることになった。
「圭暉どこ行きたい?」
なんて明るく聞いてみるけど、さっきからそんな雰囲気じゃないのはわかってた。圭暉の態度がおかしいのもわかってた。だけどそんな重い空気に我慢しきれなくて、気づいてないフリをした。
こんな気づいてないフリ、何よりも辛いし、今にも逃げ出したかった。
「なあ、話したいことあるから、公園行こう」
やっと圭暉が口にしたのはそんなセリフ。もう悪い予感しかしない。
立ち寄ったのは私の家の近くの公園じゃなくて、学校を少し行ったところにある公園。幸菜と喧嘩した場所だった。