青い記憶

「うわ〜!すっごい綺麗〜!」





夜になり、晴くんとイルミネーションを開催している園に入った。




割と有名な観光名所で、この時期になると毎年テレビCMが流れ、全国各地から観光客が集まる。




晴くんは昔来たことがあるらしいけど、私はなかったから、晴くんが連れてきてくれた。




ここに来るまでは、晴くんは昔元カノと行ったのかな…なんてことばっかり考えて終始無言だったから、晴くんに何度も『起きてる?』とか『疲れた?』とか、だいぶ気を遣わせてしまった。





だけど元カノがあんなに美人だとわかって、すぐに立ち直れる女の子なんているのかな。いるんだったらその方法を今すぐ教えてほしいくらい。





でも視界いっぱいに広がるイルミネーションを見るとそんなこと一瞬で頭から消え去った。




晴くんも





「すげぇ、パワーアップしてるわ〜」





って隣で目を輝かせてる。


かと思うと





「眠気吹っ飛んだ?」





なんて意地悪そうな笑顔を覗かせてくるから心臓が跳ね上がる。





「元から眠くないよ」





私が顔を逸らすと、また満足そうに笑って私の手をひっぱる。
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