青い記憶
「亜美?泣いてんの?」
晴くんが心配そうに近寄ってくる。
「泣いてないよ」
平静を装ったけど、涙のせいで鼻声になってる。
「亜美、本当ごめん。そんなつもりじゃなかった」
晴くんが謝ってくれるけど、晴くんは悪くない。私が悪いの、謝らないで。
言いたいけど、何か話そうとしたらまた涙が出そうになるから何も言えない。
晴くんが私の腕を掴む。
「亜美?」
「ごめんね、せっかく連れてきてくれたのに、拗ねるし迷惑かけまくりだし晴くん悪くないのに謝らせちゃうし、私…」
「亜美。いいから、おいで…?」
涙が出そうになって言葉が詰まると、晴くんに引き寄せられた。
晴くんの腕の中にすっぽり埋まり、後ろから抱きしめられる形になった。
「昼から亜美のこと不安にさせちゃったのは俺だよ。俺が迂闊だった。ごめんな」
晴くんの優しい声と背中に感じる優しい体温が心に染みる。
「違う、私が悪いよ。自分でも嫌なんだけど、やっぱりどうしても妬いちゃう」
私がそう言うと晴くんの抱きしめる力が強くなる。
「ううん。俺、亜美が妬いてくれんのすっごい嬉しいよ。いや、まず妬かせちゃダメなんだけどさ、でも好きでいてくれてんだな〜て思う」