青い記憶
「ていうかさ〜、そういうのってまず彼女を頼らない?普通」
「いや、絶対美優も課題終わってないだろ。聞かなくてもわかるし」
「えーーー、図星すぎるし上から目線だしなんかムカつくーーー!」
「あ〜、まさに負け犬の遠吠え」
森本くんに優勢を取られた美優が私に泣きついてくる。
「はいはい、夫婦喧嘩はもういいから、早く手繋いで仲良く帰りなさい」
「亜美がつめたーい」って私に抱きついたままうな垂れる美優を引き剥がすと、森本くんが引き取ってくれた。
「茶番はこの辺にしろ。清川にベタベタしてたら多野にしめられるから行くぞ」
「はあ?茶番じゃないし!本当に口悪いし性格悪い!」
「お前ほどじゃねぇわ」
なんて口論しながら、森本くんの腕はちゃっかり美優の肩に回されていて、美優もおとなしく森本くんの脇にすっぽり挟まっている。
なんだのバカップルは。見てるこっちが恥ずかしくなるくらい。
「もー、イチャイチャしてないで早く帰って!」
「ごめんごめん、じゃあね亜美!おデート楽しんで!」
「バイバイ清川!課題は頼んだ!」
また2人揃ってヒラヒラと手を振って、今度は仲良く帰っていく。
あの2人の仲のいい様子をみてるとどこか安心する。