青い記憶
「ごめん亜美、お待たせ」
それからしばらくして教室から出てきた晴くん。
こうして会うのが久しぶりでなんか新鮮。
「ホームルーム長かったね〜。なんかあったの?」
「あー、野球部のアカギ知ってる?あいつがさ〜…」
なんて他愛もない話をしながらロッカーで靴を履き替えて校門を出る。
久しぶりだと、自然と幸せだな〜って改めて思ったりする。
「あ、で、昼何食べたい?俺なんでもいいから亜美の行きたいとこ行こう」
いつもこうして私に合わせてくれる晴くん。付き合った当初からずっと変わらない晴くんの優しさだ。
無理してないかな?って思ったこともあったけど、本当に何でも素直に美味しそうに食べてくれる。何より食べてる晴くんは子供っぽくて可愛い。
いつまで経っても晴くんの優しさと食べてる姿にはすっごくキュンとくる。
「え〜なんにしよ〜」
私が迷っていると晴くんの携帯が鳴った。
「ちょ、ごめん」
晴くんは私に軽く手を合わせ電話に出る。
晴くんに電話なんて珍しいな。
電話がある時はだいたいバスケ部の人が晴くんを遊びに誘う、所謂、暇電。
今日はバスケ部はオフだし、いつもの暇電かな。