青い記憶
「なに、どうしたの?…え、ああ、今?」
晴くんが私の方をチラリと見る。
なんでだろ。いつもバスケ部の人からの電話だったら「亜美といる」ってきっぱり言うのに。
気のせいかもしれないけど、今日はなんか誤魔化してる感じ…
あ、バスケ部の人じゃないのかな…
お母さんとか…?
私が不思議そうに見ているのに気づいたのか、晴くんはいつもみたいに
「亜美といる」
と電話口に答えた。
「うん、そうそう。で、何?そうだよ。だから何?何かあったの?」
早く切りたそうに、電話口で急かしだす晴くん。
…ちょっとイライラしてる?
「…うん。……うん。…え?まじ?」
どうしたんだろう。晴くんがまた私をチラリと見て、今度はなんか焦ってるっぽい。
「え〜、まじかよ……。あぁ、うん。わかったよ。了解、またメールするから」
ため息をつきながら電話を切る晴くん。