青い記憶
「どうしたの?」
私が聞くと、もう一度ため息をついて、今度はくるりと体を私の方に向けた。
「ごめん、亜美!」
顔の前で申し訳なさそうに手を合わせる晴くん。
「え、なに?何かあったの?」
「ちょっと地元の友達がいろいろトラブったらしくて、来てくれないかって言われた…っていうか、行かなきゃいけなくなった。まじでごめん!この埋め合わせは近いうち絶対にするから!」
地元の友達がトラブって晴くんが駆けつけなきゃいけないって…、一体どんなトラブルが起きたの?
久しぶりのデートだし、半日授業だったから楽しみにしてたのに…
でも、こんなことは初めてだし、仕方ないよね。
「うん、いいよ。友達が困ってるなら仕方ないし、行ってあげて。でも今度は絶対ドタキャンなしね」
冗談っぽく怒って言うと、晴くんはさっきより申し訳なさそうに「まじでごめん、ありがとう」を連呼してた。
結局、駅まで一緒に帰ってそこでバイバイ。晴くんとは電車が逆方向だから、1人で電車に乗る。
楽しみにしてた高揚感と、今の落ち込み具合の差が激しすぎて、電車も駅も人が少ないから余計寂しい気分にさせられる。
楽しみにしてたのに…
自分の落ち込み具合に自分でもびっくり。