青い記憶
泣きそうになりながら教室に入ると、幸菜(ユキナ)がニヤニヤしながら寄ってきた。
「見たよ見たよ〜!何朝からラブラブしてんの〜」
「馬鹿、ラブラブなんかしてないし。おはようって言っただけじゃん」
「とか言って、すっごい緊張してたくせに〜」
もう、、いったい誰のせいで朝からこんな心臓麻痺起こしそうなくらい動悸が激しくなってると思ってんのよ。
「あ、これ立川(タチカワ)から!」
そう言って幸菜に渡されたのは小さく折られた紙切れ。立川というのはさっきすれ違い際に挨拶をされたあの人。開くと中にはメールアドレスが書いてあった。
「それね、立川のメアド!まあ、昨日立川に亜美のメアド教えといたから亜美からしなくても大丈夫だけど、一応ね!」
「え、待って?立川に私のメアド教えたの?!そんなの聞いてないんだけど!」
「まあまあ、だっていずれはメアド交換することになるんだし、立川のメアド教えたってどうせ亜美自分からメール送らないでしょ?」
まあ、それもそうだけど、、、
幸菜はそれだけ言うと
「まっそういうことだから!今日には立川からメールあると思うよ!」
と言い残し足早に教室から出て行ってしまった。