青い記憶

戻ってくると恥ずかしそうに


「ごめん、俺が間違ってた!」


と笑った。人見知りの私だけど、自然とその笑顔につられて私も笑顔になる。

その男の子は私の一つ前に座った。どこの学校の人だろう、なんて思って見てるとパッと振り返ったので慌てて目を逸らす。


「どこの学校?この塾友達いないの?」


優しいと言うより明るい可愛いって表現が似合うような笑顔。


「うん、一応同じ学校の人はいるけど全然関わりない人だから。西中だよ」


「西中か!俺、北中!俺もさ、一応同じ学校のやつはいるんだけど、あんまり関わりない女子だから話しかけらんない」


無邪気に笑いかけてくる。なんかすっごく話しやすいし居心地がいい。


「全然知らない他校の私には話しかけられるのに?」


私が笑って言うと


「うーん、なんか清川さんは話しかけやすかった」


ってまた無邪気に笑う。きっとさっきの座席表で名前覚えてくれたのかな。私も後で名前見に行かなくちゃ。この人がいれば集団授業も上手くやっていけそう。

< 21 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop