青い記憶

それから私とその男の子は集団授業があるたび仲良くなっていった。名前は竹富雄大(タケトミユウダイ)。

そのうち個別授業のときもたまに顔を合わせるようになって、終わる時間が同じになった日は2人で近くのコンビニによって喋ってから帰ったりするような仲になった。


「あーちゃん、今日もコンビニ寄るだろ?早く〜」

「行く行く!もうちょっと待って雄ちゃん!」


いつしかお互い雄ちゃん、あーちゃんと呼び合うようになった。

最初は清川だったけど、だんだん亜美になって、だけど亜美呼びは圭暉とのことをまだ思い出ししまうから、適当に誤魔化してあーちゃんに落ち着いた。

向こうは学校でもみんなに“雄ちゃん”と呼ばれてるからしいから、雄ちゃんと呼ぶようになった。


「ごめん、ありがとう」


急いで雄ちゃんの元へ駆け寄ると


「遅えよ」


そう言って頭をポンポンとされた。


胸がギュッとなる。


久しぶりの感覚だった。


何てことないフリをしたけど、まともに雄ちゃんの顔が見れなかった。



でも知ってたよ、雄ちゃんの顔も少し赤かったよね。


この時からお互いの気持ちはお互い気づいてた。

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