青い記憶

「ねえ!雄ちゃん聞いて!!この前の模試、初めてA判定でたよ!!」


こんな報告も1番にするのは雄ちゃん。


「え、すげーじゃん!!あーちゃん頑張ってたもんな!」


そう言ってまた可愛い笑顔で頭をクシャクシャとされる。

その笑顔と手の温もりにまた胸がギュッとなる。雄ちゃんと出会ってから何度もこの感覚に出会った。


「じゃあ今日はお祝いにピザまんでも奢ってやろうかな〜」


「ほんとに?!やったーー!!!」



飛び跳ねる私の頭を「落ち着け落ち着け」と言って両手で抑え込む雄ちゃん。

そんな仕草にまた胸がギュッとなる。ずるいよ。雄ちゃんに夢中だった。もう大好きだった。


コンビニでピザまんを買ってもらって、外で2人で並んで食べる。もう12月に入っていた。

吹きぬける風は1年前と変わらず冷たいけど、あの頃のように刺すような痛みは感じないよ。

隣に雄ちゃんがいるから。一緒に笑っていられる。この時間がとてもあたたかくて幸せだった。


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