青い記憶
温かいピザまんを食べながら、雄ちゃんの横顔をチラリと見る。瞬間、雄ちゃんもこちらを見るから慌てて目を逸らす。
「何だよ。ピザまん食って欲しいの?しゃあねえなぁ〜」
横から私の持ってるピザまんに食らいつこうとする雄ちゃん。目の前に雄ちゃんの横顔が来て、いい匂いがして、心臓が飛び出そうになって、動けなくなってしまった。
「え、どうした?本当に食うよ?」
雄ちゃんに顔を覗かれてハッとする。
「だめ!そんなことしたら雄ちゃんのココア貰うから」
急いでピザまんを雄ちゃんから遠ざける。
「え、ほしい?別にいいよ?」
なんて簡単に温かいペットボトルのココアを私の前に差し出す雄ちゃん。もう心臓がもたないよ。
「本当にいいの?」
「いいよ!でも、あーちゃんのピザまん一口と交換な!」
もうきっと顔が真っ赤だと思う。雄ちゃんにピザまんを渡してココアを受け取る。少しだけココアを口に含んだ。とっても温かくてとっても甘かった。
「うっま!さすが俺が買ったピザまんだな!」
なんて言って笑う雄ちゃん。私も一緒にになって笑う。
こんな幸せな時間がずっと続けばいいと思ったよ。それはきっと雄ちゃんも同じだったよね。
あの頃の私たちは本当に同じ気持ちだった。同じ気持ちだってことも、お互い気づいてた。
私がもっと強ければ、私は今も雄ちゃんとずっと一緒にいたと思う。
たけど、私はとても弱かった。