青い記憶
Without the Love
高校1年春、清川亜美(キヨカワアミ)
入学早々、大人っぽくてしっかり者の松宮琴音(マツミヤコトネ)、常にキャピキャピしてる相馬美優(ソウマミユウ)と仲良くなり、充実した高校生活のスタートを切っている。
琴音は同じ高校の他クラスに、中学の終わり頃から付き合ってる彼氏、原口洸太(ハラグチコウタ)がいて、2人とも落ち着いてるけどすごく仲良しでラブラブなカップル。
美優は自分でも言ってるほどの、見た目通りの恋多き女らしい。彼氏はいないけど早速クラスのイケメンくんに目をつけてる。
昼休みになると美優の狙っているイケメンくんの話で持ちきり。たまに琴音と彼氏の話に飛んで、また美優の話。
2人ともすごく明るくて面白くて、毎日飽きない。
高校に入って、この年で友達作りなんてできるのかなとか、周りの空気についていけるのかなとか、いろんな不安もあったけど、そんな心配はすぐに消えた。
「ちょっと聞いて!昨日さ、向こうからLINEきたんだよ!」
中3の半ば頃からスマホがだいぶ普及してたから、高校に入ると9割以上がスマホ。連絡手段もメールじゃなくてLINEが主流になった。
「しかもね!追加も私からじゃなくて向こうから!すごくない?!」
昼休みにると早速美優がにやけながら進展の報告。美優は本当にやり手で、進展がすごく早い。私も琴音も着いて行くのに必死。
「すごいじゃん!もうだいぶ脈ありでしょ!美優さすがすぎるよ」
琴音が感心して頷きながら弁当を開ける。
「でしょでしょ!!森本くんのこと狙ってる子多そうだから心配だったんだけど、これなら私リードしてる方だよね?希望の光見えてきたーーーー!」
なんて嬉しそうに伸びをして叫ぶ美優。美優が狙っているイケメンくんは森本啓介(モリモトケイスケ)くん。
入学式の時からズバ抜けたイケメンさで、他クラスの女の子からもキャーキャー言われるようなすごい存在。少し軽そうだけど、またそこが近づきやすいポイントでいいんだろう。私のタイプではないけど。
「いや〜これはもう美優のもんでしょ!てかここまできたら美優と付き合ってほしい〜!」
琴音も嬉しそうに声を上げる。
こうして3人で中庭で食べるお弁当。まさに青春だな、なんて思いながら2人の会話を聞いていた。