青い記憶
顔を上げると琴音は私の顔をみて一瞬驚いた顔をしたけど、同時に琴音の目が一気に潤んでいく。
「ごめんね、亜美。本当にごめんね。辛かったよね、絶対。本当に本当にごめんね」
目を潤ませながら謝る琴音。
どうして、琴音は何も悪くないのに。これは私にも責任があるんだよ。全部、私が弱かった結果だよ。
「全部話してほしい。本当のこと。亜美と雄大くんの間に何があったの?亜美が今恋できない理由はたぶんこれにあるでしょ?」
私はこんな重い話人に話せるようなものじゃないと言って拒んだけど、それでも琴音は必死にお願いしてくる。
琴音が嫌いだからとか、琴音のことを信頼してないとかじゃない。
むしろ琴音のことが大好きで、私にとって本当に大切な存在だから、こんな話をして琴音が離れていくのが怖かった。
だけど琴音はそんなことで離れていくような子じゃない。
今、改めてそう気づいたから。
琴音になら全て話せる。話してもいい。
私は圭暉とのことから今に至るまでを全て琴音に話した。
琴音は真剣に聞いてくれた。時に目を潤ませながら。
私は話をしながら泣くことはなかった。もうあの時で涙は流しきったから。胸は痛んだけど、思い出して泣いたりはしなかった。
きっと琴音の話を聞きながら泣いたのは、私の知らなかったあの時の本当のことを知れたから。
私は琴音みたいな素敵な友達に出会えて本当に幸せものだ。