青い記憶
幸菜はどんどん1人で話を進めて輪に戻ろうとするから、慌てて引き止めた。
「まってまって、どういうこと?本当に?こういうの始めてたからさ、信じらんないし、ねえ、本当なのこれ?え、ていうかまず“そういう方向”ってなに?」
「ちょっと落ち着いて亜美、本当だし、こんな嘘ついてどうすんの」
幸菜は呆れた様子で笑ってる。
「で、そういう方向は付き合う方向に決まってんじゃん。じゃあね!」
私の頭は混乱したまま、幸菜に置いていかれた。
それからちゃんと頭の整理がつかないまま。だけど幸菜の言葉が頭から離れなくて、すれ違うたび私も意識してしまうようになった。