青い記憶
New Me and Love

多野くんへの気持ちに気付いてからから一週間。文化祭まであと3日。



琴音や美優には多野くんへの気持ちは言っていていない。自分の心では確信しているけど、言葉にしてしまったら、誰かに言ってしまったら、後戻りできなくなる。それが怖い。



それに、多野くんの気持ちだってよくわからない。


多野くんとは日に日に仲良くなっていった。普通の休み時間も、放課後の文化祭準備も、近くにいたら多野くんが必ず話しかけてくれる。


だけど2人きりになることはなかった。


何度か期待してしまいそうになる言葉をかけられて、舞い上がりそうになったけど、他の女の子とも楽しそうに喋っているのを見てその感情が消えていく。


私の片思いだから、期待してはいけない。


だけど、ほら


「あ、清川〜!古典のノートかしてー」


さっきまで周りの女子に話しかけられて楽しそうに喋ってたのに、ノートなんて多野くんの仲の良い男子にだって借りれるのに、わざわざ遠くにいる私の名前を呼ぶの。


私が古典のノートを出すために自分の机を漁っていると、多野くんは私の所へ来てくれる。


「はい!わかりにくいかもしれないけど」


「ありがとう!助かる」


そう言って笑顔で私からノートを受け取る多野くん。


その笑顔に私の胸はいちいち疼くの。


だけど多野くんはそのまま2人で喋ろうとはせずに、自分の席にノートを置きにいって、そのまま近くにいた男子と喋る。


__女の子と喋られるより全然良い。




いつからこんなに多野くんを目で追うようになってしまったのだろう。恋なんてしないと心に決めたのに、自分の決意の薄さに呆れる。


だけど、恋をしてから毎日が楽しい。してなくても十分に楽しかったけど、多野くんを好きになってから世界が変わった気がする。


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