青い記憶
文化祭前日。
いつも通り琴音と美優と3人でお昼を食べていると、文化祭の話になった。
「ねぇねぇねぇ!文化祭のことなんだけどさ、私、啓介といいこと思いついちゃった!聞きたい?聞きたい?」
目をキラキラさせながら私と琴音を交互にみる美優。
「聞きたくないって言っても美優なら言うでしょ!早く教えて!」
琴音の返事に美優は、何それ〜とほっぺたを膨らませるけど相当ウキウキしてるらしく、まぁいっか!とすぐにまた目を輝かせる。
「あのね!文化祭、私たち3人で回ろうって言ってたじゃん。だけど啓介とも回りたいねってなって、それだったら琴音も原口くんと回りたいでしょ、ってなって」
「別に洸太と私は文化祭の後2人で遊びに行くし、写真だけ撮れたらいっかって感じなんだけど…」
勝手な美優と森本くんの妄想に訂正を入れるけど全く聞いてない美優は話を続ける。
「そしたらね、啓介が、そうなったら多野と清川も一緒に回りたいだろ?って言ったのね、」
「まって、なんでそうなるの」
「え?だって亜美、多野くんのこと好きでしょ?隠さなくてもわかるよ。琴音と2人でよく話してたもん、ね〜?」
そう言って琴音に同調を求める琴音。琴音もまあね〜なんて笑ってる。
まぁ、美優もずっと私と一緒にいるんだから気づいてるよね。そしたら森本くんも知ることになるよね。
「そうだけどさ、別に多野くんは私と回りたいなんて思ってないよ」
「いやいや、亜美より多野くんの方が思ってるでしょ。亜美のこと好きなのに」
サラッと言われすぎて、そうなんだ〜ってこっちもサラッと流すところだった。
まって、私のことが好きって、今の流れだったら多野くんのことだよね?
本当だったら嬉しいけど、今すぐ飛び跳ねたいけど、それより心臓が口から出そうで動けない。