青い記憶
だんだん飾りが取られていって、元の姿に戻っていく教室。
さっきまで他校や一般のお客さんで溢れていた校内も、今は制服に着替えた生徒だけ。
窓から差し込む夕焼けが校舎をオレンジ色に染める。
「おい」
腕に教室を飾るのに使われてたテープを貼られた。声のする方向をみると、やっぱり。
多野くんだ。
いつの間にか片付ける手が止まって、窓から外を眺めていたら、多野くんがいつもみたいに来てくれた。
「黄昏てんの?」
私の隣に並ぶ多野くん。腕に貼られたテープを丸めて多野くんの腕に付け返した。
「なんか寂しいよね、さっきまであんなに騒がしかったのに。本当に楽しかった〜」
今日のいろんな出来事が蘇る。いろいろ思い出してたら感傷的になっちゃって涙が出そうになる。
やばいやばい。
多野くんに気づかれないように顔を逸らしグッと堪える。