青い記憶
「本当、楽しかったな〜。清川ボーっとしてるからすぐはぐれそうになるし」
「あれは違うよ、人に押されたの」
「清川小さいもんな〜」
笑って頭をポンとされる。また胸がギュッとなる。
なんか感傷的になってるからか、多野くんへの気持ちもいつもより増す。
本当に多野くんが好きなんだ私。
今すぐ好きだって、多野くんにギュッてしがみつきたくなる。
「あのさ、今日一緒に帰らない?」
「え?」
突然の多野くんからの誘いに、フリーズしてしまう。
多野くんは窓の外を見つめたまま。私の返事を待っている。
「うん」
また胸がドキドキしてくる。
いつもみたいに無邪気に笑う多野くん。
夕日に照らされた多野くんの横顔は、何倍もかっこよかった。