青い記憶
「琴音〜」
あれから30分ほどして、片付けはほとんど終わった頃に、原口くんが琴音を迎えに来た。
「じゃあ私、先に帰るね。みんな今日はありがとう!」
「うん!デート楽しんで!バイバーイ!」
琴音と原口くんはみんなに手を振り帰っていく。
クラスも半分以上の人が帰って、残っているのは美優と森本くんと多野くんと私と他4.5人ほど。
「美優〜、俺らもそろそろ行くか」
「そうだね。亜美たち、先に帰らせてもらうね!」
「うん、バイバイ!」
こうして、そのうち美優と森本くんも、他のみんなも帰って行き、教室に残っているのは私たちだけになった。
「俺らも帰ろっか」
ゴミ袋を2人でまとめて、教室を出る。
他の教室にもあまり人は残っていないみたいで、外にいる数人の声が聞こえるほど。
こんな本当の2人きりは初めてで、今までと違ったドキドキ感がする。
多野くんが教室の鍵を閉めてくれる。そんな仕草にも、振り向いて私が持ってたゴミ袋を持ってくれる仕草にも、全てに胸がキュンとなる。