青い記憶

2人で教室に鍵を返しにいき、多野くんがゴミをゴミ捨て場に捨てにいってくれるのを待って、学校を出た。



「公園寄ってこう」



多野くんに誘われて学校近くの公園に入る。2人でならんでベンチに座った。



そういえば、誰かと公園のベンチで2人で座るなんて、圭暉に別れ話を持ち出された以来だ。



圭暉とのわだかまりは溶けたし、もう何ともないけど、やっぱり思い出したくはない記憶。



圭暉とは友達に戻れたけど、結局幸菜とは口もきかないまま卒業しちゃったな。



なんていろいろ考えていると、多野くんが前かがみになって私の様子を伺ってた。



慌てて思い出してた中学時代の記憶を頭から消し去る。



「大丈夫?清川よく考え事してるよな」



「本当に?そんなことないよ!ごめんねボーっとして、だからボール当たるんだよね〜」



笑って誤魔化す。よく考え事してるよな、なんてよく見てくれてるのかな。また胸がキュンとなる。


いつもは多野くんにいじられるボールネタも、この頃は自傷ネタにするのも悪くないかな、なんて思ったりする。



「俺さ、その頃から好きだったんだよ、清川のこと」




………え?


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