青い記憶
「あ、ごめん」
パッと離される体。多野くんの顔を見ると、ほんのりだけど赤かった。
多野くんも緊張してたんだね。なんか嬉しい。
「亜美…でいい?」
照れているのかチラっと横目で私を見るだけの多野くん。
「うん。じゃあ、私は…晴(ハル)くん!」
「げっ、なんかそれ幼稚園の頃に呼ばれてたからあれなんだけど…」
「いいじゃん!可愛いよ、晴くん!」
まぁ、その呼び方今は亜美だけだし、特別感あるからいいかな〜、なんて少し照れながら早速惚気だす晴くん。
可愛すぎてギュッとしたくなったけど、人はいないけど公園だし人通りがないわけじゃないし、第一まだ私にはそんな大胆なことする勇気はなくて、横で一緒になって笑ってるだけ。
だけど、本当に幸せでいっぱいだった。幸せ過ぎたら普段は、こんなに幸せでいいのかなって怖くなるけど、そんなことすら思いつかないほど幸せだった。
晴くん、私たちはここから始まったね。
運命だと思ったよ。
晴くんとだったら、今までと違う、幸せな恋愛ができるって思ったよ。