青い記憶

「お名前は?」



「亜美と、晴之です」



女の人がサラッと話を変えてくれたのでここぞとばかりに私が答える。



「亜美ちゃんと晴之くんね!高校生よね?何年生?いつから付き合ってるの?」



女の人の質問攻めが始まる。質問にたんたんと答える晴くん。私は横で2人の会話を聞いている状態になった。



「おお、新しいお客さんか。またこんなに若いお2人さんが」



そう言ってカウンターの奥からお店に入ってきたのは、爽やかな若手俳優みたいな顔立ちをしたイケメンな男の人。



体は鍛えあげられているみたいで、がっちりしている。



「高校1年生のカップルさんだって。亜美ちゃんと晴之くん。最近付き合ったんだって、しかも文化祭の後!青春よね〜」



女の人がさっき晴くんが言ったばかりの私たちのことを全てその男の人に紹介する。



「カップル羨ましいね〜」



と言ってはにかむ男の人。本当に俳優なのかなって勘違いするくらいのイケメンさ。なんでこんなに美男美女なんだろう。



「あ、私たちのこと何も紹介してなかったよね。この人は店長の秀。常連のお客さんからは秀さんって呼ばれてるから、そう呼んであげて。私は秀の妻の美咲。美咲ちゃんでいいけど、初対面でちゃん付けは呼びにくいかな?美咲さんがいいか」



可愛い笑顔で自己紹介をしてくれる美咲さん。この2人夫婦だなんて、本当にお似合いだけど、こんな漫画みたいに美男美女な夫婦も現実世界にはいるんだな。







これが私たちと、秀さん美咲さんとの出会い。



私と晴くんはデートの度に、帰りにこのお店に寄るようになり、常連になった。



美人でよく喋る気さくな美咲さんと、爽やかでずっとニコニコしてるイケメン俳優風の秀さん。



私たちのことをいつも側で見守って、時には相談にも乗ってくれて、たくさん面倒をみてくれた2人。


< 63 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop