青い記憶
吉野が静かになったところで、森本くんが立ち上がり自己紹介を始める。
「えー、1年5組だった森本啓介です。男女問わず、みんなと仲良くしたいです。よろしく〜」
さっきの"超優しいスマイル"に似た爽やかな笑顔を振りまく森本くん。
なんかもう、女の子みんなが森本くんに惚れてるように見えて仕方ない。実際この中にはきっと本当に惚れてる女の子もいるんだろうな〜。
美優の怒る姿が目に浮かんで、さらに先が思いやられる。
「俺、めっちゃいい自己紹介しちゃった?これは早速、好印象森本だな〜」
なんて座りながらふざけて笑う森本くん。森本くんが座ってもまだざわつく女子たち。耳をすませば『やばい、かっこいい』なんて声も聞こえてくる。
きっと奪っちゃえとか思ってる気の強い女の子もいるんだろうな。怖すぎる。
それからも順番に自己紹介は回っていき、根岸くんは爽やかにいかにも人がいいのが伝わってくる自己紹介だった。吉野は相変わらずふざけてたけど、みんな楽しそうに笑ってる。
私からしたら最悪なイメージしかないからなにが面白いのか全くわからなかったけど。