青い記憶
「亜美、待たせてごめんな、行こ!」
いつも通りの明るい晴くんが教室から出てくる。
私の横で睨みをきかせる美優にギョッとしてたけど、何のことかさっぱりわかってないみたい。
「亜美!ファイト!」
美優が怒った顔のまま私の背中を押した。
「ファイトって何がだよ。てか相馬なんであんなに怒ってんの?」
晴くんが不思議そうに聞いてくるけど、私はさっきから目を合わせられない。
そんな調子で駅まで辿り着いた。
電車に乗って初めてのデートで行ったショッピングモールに向かう。
ショッピングモールの最寄り駅に着くと、晴くんは私の手を引っ張ってショッピングモールに向かう道と反対の道を歩き出した。
「え、ちょ、晴くん?どこ行くの?」
着いた場所は人通りの少ない公園。
そこでやっと晴くんが手を離してくれて、向かい合わせになる。自然と目を下に逸らしてしまう。
「なぁ、亜美。さっきからどうしたの?目も合わさないし、返事もあやふやだし、なんかあった?」