青い記憶

話し終えると、私の腕を引き正面からギュッと抱きしめてくれる晴くん。



「ねぇ、何度も言うけど、本当に雄ちゃんに未練があるとかじゃないからね」



「ん」



抱きしめる腕を強める晴くん。



「…晴くん、大丈夫？」



黙ったまま動かないから心配になる。


不安にしちゃったかな。いくら未練も何もないといっても、やっぱり好きな人が昔好きだった人の話なんか聞きたくないよね。



だけど、私から離れると、ニンマリと笑う晴くん。



「大丈夫に決まってんじゃん！亜美は俺にぞっこんだもんな〜」



そう言って私の頭をくしゃくしゃとする。


その笑顔にすごく安心する。手の優しい温もりが愛おしい。



「俺がもしその人の立場だったら、松宮が言ってたように、気にしてないし、普通に話してほしいと思うよ。ちゃんと本当の話をして、スッキリしてこい。俺が待ってるから」



「わかった。頑張るよ私。晴くん、本当にありがとう」





晴くんはいつだって私を笑顔で支えてくれたね。



いつだって私を信じてくれた。



何かを乗り越えるたび、私は晴くんじゃなきゃいけないと強く思うようになっていったよ。