青い記憶

「雄ちゃんが謝らないで。私もね、塾にいた奈帆ちゃんの友達の1人が今の私の高校の友達と幼馴染で、あの会話が全部作戦だったって去年知ったんだ。私もいっぱい後悔した。雄ちゃんに謝りたい気持ちでいっぱいだった。

だけどここで再会できて、こうやって本当のこと話せて、本当によかった。

雄ちゃん、本当に本当にありがとう」



「こちらこそ、ありがとう」



感謝の気持ちで目に溜まってた涙が流れ落ちる。



「泣くなよ〜、つられそうになるから」



そう言って目を少し赤くして天井を見上げる雄ちゃん。



ここでこうして会えたのは、きっと運命だね。



神様が巡り合わせてくれたんだ。



わだかまりが溶けるように。後悔が和らぐように。



「あーちゃん今、彼氏いる?」



「うん、付き合って1年の人がいる。雄ちゃんは?」



「1年ってすごいじゃん!俺もいるよ。まだ日は浅いけど」



柔らかく笑う雄ちゃん。



「そっか、よかった。お互い幸せになろうね。手放して後悔しないように、私強くなるよ」



「俺も。今度こそ失わないように、ちゃんと守り通す」



私たちの間にとても温かく優しい空気が流れた。



雄ちゃん、雄ちゃんに出会えて本当によかった。



心からありがとう。



そして、それぞれの場所で


ちゃんと幸せになろうね。
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