青い記憶
雄ちゃんと一緒にビルを出る。
「じゃあ、俺こっちだから」
「そっか、じゃあまたね!」
「おう、バイバイ」
笑顔で手を振り、別々の道を進む。
すると前方に見覚えのあるシルエット。
「…晴くん?」
近づいていくと…やっぱり晴くんだ。
急いでかけよる。
「晴くん!なんでいるの?」
「俺が待ってるって言ったじゃん」
そう言い笑うと腕を広げる晴くん。晴くんの胸に飛び込む。
「ありがとう晴くん。ちゃんと話してきたよ」
「ん。よく頑張った。お疲れ様」
そう言って甘いキスが落とされる。
「ちょ、晴くん、こんなところで誰かに見られたら恥ずかしいよ」
それでもまた私を抱きしめる晴くん。
「俺さ、実はすっげー妬いてた」
「…え、うそ、本当に?」
「本当に。だから迎えに来ちゃった」
少し恥ずかしそうに言う晴くん。
うそ、あんなに平気そうだったのに、妬いてたなんて。
「亜美の昔の話とか初めて聞いてさ。そりゃ中学の頃も好きな人はいただろうってわかってたけどさ、実際本当にそんな聞いたら亜美はその人のこと本当に好きなんだったんだなって思って、そしたらすっげーやきもち妬いた」
「うそ…なんかめっちゃ嬉しいんだけど」