桜龍の奴等
ドジを踏んだ後みたいに、へへへーと笑う彩葉。
対する爽は、友真に対して 怒りを覚えていた。
「琴……ごめん……、本当にごめん。
これからは、絶対に俺が守ってやる。
心配しなくていいぞ。」
爽は気がつけば、彩葉を強く……強く抱きしめていた。
「水無月……怖かった……痛かったよ……。」
彩葉は泣きながら、爽を抱きしめ返した。
どうしたらいいんだよ……。
いつもより早く脈を打つ心臓。
爽は、今 この状態でそんなことを思うのはよくないことだ……そう思いながらも胸の高鳴りを感じていた。